U.S.A 高地トレ2005

【ヒューストン】来たぞ~アメリカ!気が遠くなるほど飛行時間は長かった!ヒューストン国際空港(ジョージブッシュ・インターコンチネンタル空港)に到着。入国審査ではものすごい行列。こんなんじゃ、次の乗り継ぎに間に合わない。ようやく自分の番になった。え、別室に来いだって?「何のためにアメリカに来た?」「ランニングですけど。これからコロラドで高地トレーニングをします。」このジャージ姿、スポーツバッグ、アシックスのシューズを見るとランナーだとわかるでしょ!身長が2mある大男検査官は細い目で自分を見下ろす。「バッグを開けろ。」「くつをぬげ!」「くつの中敷きの間も見せろ。」はいはい、どうぞ、何もありませんよ。「おまえは英語が下手だ。もっと勉強しろ。行け!」ようやく解放してくれた。

 乗り継ぎカウンターに向かうと、ここも最後尾がどこなのかわからないほど混雑ぶり。え~、これじゃ乗り継ぎ便に間に合わないよ、どうすんの、まったく!もう夕方だし、この空港で1泊しなきゃいけないのかな、それともヒューストン市に出かけて一泊する?

 あれ、コンチネンタル航空乗り継ぎカウンターの一番端っこに、日本人っぽい顔をしている係員がいる!「すみません。」「どうしましたか?」「入国審査で時間がかかり、乗り継ぎ便に乗れませんでした。」「そうですか、大丈夫ですよ。」よかった!大正解。日本語を話せる係の方のおかげで、次のデンバー行きの飛行機に乗せてもらえることになった。







 

【ボルダーに到着】有森裕子選手(バルセロナ五輪銀メダル、アトランタ五輪銅メダル)、鈴木博美選手(世界陸上アテネ金メダル)、高橋尚子選手(シドニー五輪金メダル)が合宿をするボルダー。標高1600mほどの高地にある。青森県で言えば岩木山や八甲田山の頂上にいるようなものだ。景色がとてもよく、赤土や赤い岩肌を見せる山々がとてもきれい。町は10万人くらいが住むようなこじんまりとした感じがあるが、静かで落ち着いた雰囲気の町だ。ランニングできそうな歩道もあるし、小さな川が流れ、花が咲き、リスなどの小動物がふつうに街中にいて人間と一緒に暮らしている。




【ボルダークリークパス】ここはボルダー川沿いにある道だから、観光客や市民のみなさんも散歩がてらに歩くので、安心して走ることができる。コロラド大学の陸上部の人たちもかなりのスピードで走りぬけていった。原住民族のモニュメントもあちらこちらに立っている。

 

【ボルダーマウンテンパーク】 フラットアイアンはボルダーのシンボル的な存在だ。とがった岩と平らな面が並んでいる。ランニングできるコースがたくさんあるが、ピューマについての説明があった。ここ、コロラドの山にはピューマがいて、年に何人かピューマの襲われてケガをする人がいるので気を付けてとのこと。こわ~!


 



【ネダーランド】ボルダーからバスに乗って数キロ、ロッキー山脈の中にあるネダーランドは小さな町である。ここは標高2400mあり、有森裕子選手ががんばってトレーニングをしたところだ。本当に自然だけの、山に囲まれた小さな町で、有森さんはストイックに練習したんだなあと感じる。

 

 


 

【マグノリア・ロード】ネダーランドよりもさらに山奥に行ったところ。標高は2800mくらい。ここで高橋尚子選手がトレーニングをして、大型犬に襲われて転倒し、あばら骨を折って練習できない時期があった。そのせいで世界陸上パリ大会も出られなかったし、アテネ五輪代表を逃したのも、その犬のせいだとも言える、と思いながら走っている時だった。ふいに、民家から大きな犬が2匹、ほえながらこっちに向かってきたのだ!自分が走るのをやめてじっとしていると、向こうも立ち止まった。ゆっくり来た道を引き返した…。



【デンバーでのハプニング】大都市デンバーにやってきた。人口は約70万人。日本のように周辺と合併すると100万人はいそうな大都市。緑が豊かで、こんな街の中心なのにリスなどの小動物もいるなんて、日本ではありえない光景。

 公園で休んでいると素敵な出会いがあった。日本人、いや日本生まれで今はアメリカ人のノリコさんに出会った。だんなさんはブライアン、精神科のお医者さんだ。ゲンちゃんという男の子もいる。

 さて、これから自分は予約しているホテルにチェックインするところだと伝えると、ノリコさんは自分の家もすぐ近くだから一緒に行きましょう、ということになった。そして、ホテルのフロントに行くと「ここではありません。」とのこと。え、どういうこと?ほら、きちんとここに予約確認表もあるよ。フロントの人の話だと「デンバーの東側にある遠く離れたところに同じ名前のホテルがあるから、そっちの方ですね。」という。でも、ホテル所在地はここじゃないの?自分の英語力ではもう交渉することがムリだった。そこで、ブライアンが車で30分ほど遠くはなれたところにあるというホテルに車で連れていってくれたのだ。そして、そのホテルのキャンセル手続きをしてくれ、この日はブライアン&ノリコさん宅に泊めてもらうことになったのだ。この人たちは神様である。

ブライアン、ノリコ、ゲンちゃん、ありがとう!

 

 

【交通マナーの良いアメリカ】アメリカといえば治安が悪くて犯罪が多く、道路では車が超高速でぶっとばしているイメージがあった。それが、真逆だということがわかった。ボルダーやデンバーは、自然豊かで人々がおだやかに生活している。道路は縦横に碁盤の目のように整備され、街路樹や花が植えられ、小動物も街にいて、車はスピードを守って運転され、歩行者が渡ろうとすると車が止まってくれる。日本じゃ考えられない光景がたくさんあった。

 

 

【旅の記録】

2005年8月
 成田 ⇔ ヒューストン
 ヒューストン ⇔ デンバー
 (コンチネンタル航空)

 

【東京国際女子マラソン 応援】

2005年12月 国立競技場のゲートにて



品川駅前をバルシュナイテ選手、高橋尚子選手たち先頭集団が通過。


 

ラストスパートをしかける高橋選手

 

市ヶ谷を1位で通過

 

39km 四ツ谷のきつい上り坂

 

画面右下に映っているのは自分です!

 

表彰式 復活の優勝おめでとう!